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しあの巣

読書やゲームや美術館めぐりなどの日々の記録

落下、落下、落下『ヨハネスブルグの天使たち』宮内悠介

#SF #アンドロイド

短編集を通して登場するDX9という歌姫アンドロイド*1がぼんやりした―安価で自動兵器並に人を殺すことが出来て人格を転写することさえ出来るという―設定なので流石に現実味がなく、あまり魅力的ではなかった。DX9はひたすら落下してるんだけど、魅力を感じないものが落下しててもふーんとしか思えず、あまり楽しめなかった。紛争地帯がーとか民族間の闘争がーとかいうテーマに興味がないことも大きな理由だと思う。以下短編ごとのざっくりした感想。

山形氏のブログを読んでから粗しか気にならなくなってしまってもうだめ。ストーリーの流れと後半のすっ飛び方がよくわからない。

  • ロワーサイドの幽霊たち

とりあえずもう一回突っ込ませたかっただけだろそれ!という感じ。実験的な作風は面白かった。

  • ジャララバードの兵士たち

ミステリ的。<種子>の発想とその皮肉さがわりと良かった。

  • ハドラマウトの道化たち

宗教。「人格を転写」とか軽々しく言うのは気になってしまう。アイディアは面白そうだけど添え物で結局描かれているのは一兵士の無力さくらいでよくわからん。

  • 北東京の子供たち

退廃。設定に無理があることを踏まえても雰囲気が良かったので好き。

*1:初音ミクだろう