しあの巣

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『カラヴァッジョ巡礼』宮下規久朗

#バロック #カラヴァッジョ #イタリア

カラヴァッジョ巡礼 (とんぼの本)

カラヴァッジョ巡礼 (とんぼの本)


カラヴァッジョの絵があるイタリアの美術館や教会を、カラヴァッジョの足跡に沿って巡ってみた本。そんなわけでカラヴァッジョ巡礼。

カラヴァッジョの絵に宗教画というイメージがないので、あの絵が教会に飾ってあると聞くと大丈夫なんだろうかと思ってしまっていた。だけどそんな心配は無用で、カラヴァッジョの絵はリアリティのある、迫力のあるイメージを作り出すので…奇跡が目の前で起こっているかのような幻想を生み出すことができる。意外と教会にはぴったりなのであった。奇跡を顕現させるカラヴァッジョ本人が奇跡のようなものだとも思う。イタリアに行って、有るべき場所にある絵を見たくなった。

本とは関係ない話。以前香川の金比羅山に行ったとき、たまたま奥書院が公開されていたので中まで入って襖や天井や壁やいろいろなところに描かれた絵を見る機会に恵まれた。その場所のために描かれた絵を見るのは初めてだったのだけど、あるべき場所にあるべきものがあるというのはこれほど良いものなのかと感動したことを強く覚えている。
その場所でないと見られない…ということが重要なのではなく、絵以外の要素も鑑賞する上で重要なのだということが肌身にしみてよくわかった。だからきっと、美術館で観ても素晴らしかったカラヴァッジョの絵を教会で見るととんでもないのだろうなと思う。いつか行ってみたい。