フィリップ・K・ディック『パーマー・エルドリッチと三つの聖痕』感想メモ
2015/06/29〜2015/07/02
- 作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1984/12/12
- メディア: 文庫
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だいたいこっちに書いたのでこちらはメモ書き程度。
簡単にまとめるとバーニイは魅力的だしドラッグ小説だしおもしろかったです。
読んだきっかけ
某人が読んでたので気になって。
本の対象読者
ドラッグ小説に興味のある人、ドラッグと霊的体験
面白かったところ
・バーニイ・メイヤスンの生き様、罪を償おうとするところ
・現実と非現実が曖昧になるところ
・キリストと神の話
印象に残ったフレーズ
――おれの信仰しているのはキャンDだ。そして、もし必要なら、チューZも。きみは二十一世紀の歴史のあるなにかを信じればいい。おれはもっと新しいもののほうにつく。それだけのことだ。
「しかし、あなたのようなタイプには――ほとんどありえないことですがね。理由はなんです、メイヤスンさん?」
「死の願望」と、バーニイは答え、精神分析医のスイッチを切って、あとは黙々と荷造りをつづけた。
救済というものは存在する。しかし――
だれもが救済されるとはかぎらない。
類書案内
・PKD「流れよ我が涙、と警官は言った」→ドラッグで次元をうんぬんするあたりはちょっと似通ってるけどこちらはドラッグの精神性メイン、あっちは機能性?
・ハクスリー「すばらしい新世界」→ソーマは精神に作用。多幸感。キャンD/チューZは幻覚の中での行為によって幸福を得る。
・バラード「クラッシュ」→キラキラして綺麗な幻覚。キャンD/チューZはバッドトリップこそ恐ろしいものの論理的に展開する幻覚なので結構違う
・ハクスリー「知覚の扉」→ドラッグつながりだけど全くの別物。
・神とドラッグに関する本があれば、それ